2021年の果樹園便り

コロナ禍もようやく収束を迎え、観光地にはまた賑わいが戻ってきたようです。皆様、お変わりありませんか。今年もまた収穫の秋が巡ってきました。果樹園では林檎の葉も色づき始め、柔らかな晩秋の木漏れ日のなかで赤く色づいた林檎の収穫を待つばかりとなりました。

今年は、春の開花の時期に霜が降り、当園を含む福島県全域の様々な果樹に影響がでました。果樹は花が咲き、そこに受粉して実となりますが、開花の時期に霜が降ると花が枯れてしまったり、受粉してもうまく実にならないものが出てしまいます。自然に寄り添う農業という仕事は、時にこういった試練に見舞われます。しかし、春が過ぎ夏を迎え秋が来る頃、私たちの心配をよそに、果樹園ではすくすくと育つ林檎の景色でいっぱいになりました。例年よりも若干小さく、変形も多少見られますが、自然の試練を乗り越えたからでしょうか、甘みと酸味に溢れた味になっております。改めて植物のもつ力の凄さに驚かされております。

林檎は追熟しない果実です。つまり、収穫した時が一番おいしい状態になるわけです。当園のこだわりで「樹上完熟」という栽培方法がありますが、11月に入ると寒暖差が大きくなり林檎は完熟に向かいます。そして11月下旬になると霜が降ります。この霜が美味しさを決める重要な役割を果たします。寒さから身を守ろうとして糖度を蓄えるのです。「春の霜」と「秋の霜」同じ霜でも林檎に及ぼす影響は真逆の物のようです。

11月下旬。近隣の農家の収穫が終わるころ。ようやく会津木の実園の収穫が始まります。

さて、当園の課題でありましたホームページがようやく出来ました。ネットショッピングはもちろんの事、当園の四季折々の様子もインスタグラムにてご覧いただけますので、ぜひご覧ください。

また、昨年に続いて、「JGAP」という安全基準の審査を受け、認証農場として認定を受けました。

これからも安心してご賞味いただける、美味しい果物を育てていきたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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